第83章 彼女の成績はそんなに良かったのか

菅田英樹は、もはや思考する力を完全に失っていた。目の前にいる二人の大物を呆然と見つめるしかない。胸の奥では、後悔が毒蛇のように心臓を噛み砕こうとしていた。

――自分は、いったい何を見落としていた?

帝都大学が「絶対に獲る」という顔を崩さないのを見て、隣に座っていたハーバード大学入試事務局長が、ついに堪えきれなくなった。

ハーバード大学と帝都大学。国内最高峰の二枚看板であり、昔から犬猿の仲だ。優秀な生徒の奪い合いとなれば、なおさら譲らない。

「中島さん、それはさすがに言い切りすぎでは?」

ハーバード大学入試事務局長は冷笑し、立ち上がると遠慮なく噛みついた。

「菅田くんが稀代の天才な...

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