第92章 清算

ナイト・オウルは深く息を吸い込み、胸の内で荒れ狂う波を力ずくで押し沈めた。

一歩踏み出す。迷いはない。

そして、ひどく厳かな所作で片膝をついた。

暗夜の中でも、最深部に属する――最高位の忠誠礼。

「『暗夜』旧部隊、ナイト・オウル。菅田さんのご命令に従います」

低く、揺るがない声。ようやく信じるものを見つけた者の、熱に浮かされたような狂信が滲む。

菅田美波は血を拭ったタオルを無造作にゴミ箱へ放り込み、冷えた視線で二人を一瞥した。声は凪いだ水面みたいに平坦だった。

「立って。リングの後始末をして。勝ち分の資金は回収して一本化。あと、さっき個室にいた暗夜の上層部がどう動いたか、洗い出...

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