第9章

 大粒の涙が、鼻腔から溢れた血混じりの水と絡み合い、ぼとぼとと落ちて、腐りかけた私の身体を叩いた。白くこわばった手の甲が、じっとり濡れていく。

 この冷血のマフィアの獣が、今さら胸を裂くような悲嘆と深い愛情を装ってみせたところで、怒りに燃えるリオーダンと、そのアイルランドの連中は――彼に自己憐憫に浸る時間など、一秒たりとも与えなかった。

 リオーダンが口にした「全面戦争」は、この瞬間から、この屋敷の中で血塗られた幕を開けたのだ。

 警察など必要ない。マフィアの世界で通る法は、暴力による取り調べと、冷酷な実力だけ。

 数分もしないうちに、主屋からは立て続けの銃声と悲鳴が響き渡った。

...

ログインして続きを読む