第143章

そう言って、夏川風は池島叶月を、かつて佐藤花子が使っていたデスクへと案内した。

佐藤花子が藤原グループへの出入りを禁じられて以来、そこはずっと空席になっていた場所だ。

元の持ち主であった彼女の私物は、藤原時夜の冷徹な命令によってすべて廃棄処分されている。

池島叶月がここに来たのは、ある意味で絶好のタイミングだったと言えるだろう。

昨日のうちに場所は確認済みだ。池島叶月は迷うことなく、持っていたブランド物のバッグをデスクの上に置いた。

その落ち着き払った様子を見て、夏川風は片手で隣の席を示しながら口を開く。

「池島さん、今日からこちらがあなたの席になります。そして、隣にいるのは大前...

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