第145章

その頃、夏川風は藤原時夜の会議に随行しており、メッセージには気づかなかった。

護衛たちも、彼が返信するかどうかになど関心はない。自分たちの任務さえ完了すれば、それでいいのだ。

一方、高橋玲はゆったりと店内を眺めていた。

店員は高橋玲の只ならぬ雰囲気に、どこかのモデルかアイドルではないかと勘違いしたらしい。

後ろにぴったりと張り付き、玲が視線を向けた商品について即座に解説を始める。

見るだけで買わないことに、桜は多少なりとも居心地の悪さを感じていた。

高橋玲は彼女の罪悪感を察し、店員に片手を上げて制すると、自ら口を開いた。

「ただ見ているだけだから。仕事に戻っていいわ」

店員は...

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