第151章

中に入っていたのはおしゃぶりだった。本体は黄色で、クマの形をしている。見るからに愛らしいデザインだ。

「本に書いてありました。赤ちゃんというのは、吸うことでこの世界を感じ取るものなのだそうです。このおしゃぶりがあれば、赤ちゃんの情緒を安定させ、安心感を与えられるんですよ」

桜はもっともらしい顔つきで効能を説明しながら、高橋玲の表情をうかがった。

会計を済ませた綿川恵美も近づいてきて、おしゃぶりを覗き込む。

「さっき桜ちゃんが気に入っちゃってね、一目見て即決だったのよ。なかなかいいでしょう? 赤ちゃんが気に入ってくれるといいんだけど」

高橋玲は表情を緩め、箱の蓋を閉めると、ふわりと微...

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