第168章

昨日の午後、数時間余計に眠ってしまったせいか、今朝の高橋玲は妙に早く目が覚めてしまった。

階下に降りてきた彼女を見て、桜は驚いた表情を浮かべる。すぐに食事の用意ができていないことに気づき、途端に慌てふためいた。

「申し訳ございません、お嬢様! こんなお時間に起きられるとは存じ上げず、まだお食事の支度が……」

彼女は心底申し訳なさそうに、返事を待たずに畳みかける。

「お嬢様、朝食は何になさいますか? 和食でしょうか、それとも洋食に?」

高橋玲は小さくあくびを噛み殺し、気にした様子もなく答えた。

「いいわ。パンと牛乳だけ持ってきて」

そう言うと、彼女は桜に従って一階へ降り、ダイニン...

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