第169章

だが、さらに気まずい事態はその後に待っていた。二人がエレベーターホールへ向かうと、高橋玲も追いついてきたのだ。役員専用エレベーターが故障しているため、彼女も今は一般用を使わざるを得ないらしい。

エレベーターホールの近くには、井出や北条のほかにも社員たちの姿があった。水原未海は高橋玲の姿を認めると、パッと目を輝かせて自分から声をかけた。

「おはようございます、高橋社長」

「おはよう、未海姉さん」

高橋玲は薄く微笑む。

その場にいた新入社員の中には高橋玲の顔を知らない者もおり、ただその容姿の美しさに目を奪われ、思わず二度見していた。

まさか、これほど若く美しい女性が会社のトップだとは...

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