第177章

七海希美の顔色がようやく和らいだ。彼女は顎を少ししゃくると、すぐさま高橋玲にもう一杯のグラスを差し出した。

その酒をじっと見つめ、彼女が飲み干すのを待ち構えている。もし敢えてこれを飲むと言うなら、今日という今日はシラフで帰れると思わないことだ。

しかし次の瞬間、またしても足立卓夫の手が伸びてきた。

「俺が代わりに飲む」

これには七海希美が罵声を浴びせそうになっただけでなく、周囲からも思わずブーイングが上がった。

「足立様、何してるんですかぁ。高橋玲って前はずいぶん飲めたじゃないですか。どうして急に一滴も飲めなくなったわけ?」

足立卓夫は口元の酒の雫を拭うと、高橋玲を連れてきたこと...

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