第191章

夏川風の言葉はエリスに遮られた。我に返ると、一行はある扉の前に立ち止まっている。

ここが応接室らしい。

「コンコンコン」

ノックの音が響くと、中から涼やかな男の声がした。

「入れ」

藤原時夜はわずかに眉をひそめた。このシチュエーションには覚えがある。だが通常、命令を下すのは彼の方であり、従うのが部下だ。

夏川風も敏くそれを察し、DGグループへの心証を三割ほど下げた。

提携を持ちかけてきたのは向こうなのに、なぜ代理人のメークが出迎えないのか?

しかし扉が開いた瞬間、その光景に三人は絶句した。

応接室にいた男は二十代前半に見える。整った顔立ちに、肩まである長髪。それを背中で緩く...

ログインして続きを読む