第10章

 三年後。

 かつてはモーターオイルと安タバコの悪臭が漂う薄暗い穴ぐらだった「アイアン・ライダーズ・ブラザーフッド」の地下修理工場は、今や国内トップクラスのカスタムバイクブランドへと成長し、完全に合法的な民間警備会社の巨大組織へと変貌を遂げていた。

 路上で金属バットを振り回すことしか知らなかったタトゥーまみれの無法者たちは、今ではパリッとした黒のスーツに身を包んでいる。

 ほんの昨日も、タンクがガラス張りの広々としたオフィスに座り、ブランド物のネクタイを不器用に引っ張りながら、「このシルクの絞め具は、リングでの裸絞めよりきつい」と私に愚痴をこぼしていたばかりだ。

 そして、この帝国...

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