第5章

 私を救う? 私たち二人のうち、どちらかを選ぶだって?

 私に救いなど必要なかった。それに、あいつにあの女のためのヒーローを気取らせるチャンスなんて、絶対に与えるつもりはなかった。私が自分の手であの女を引きずり上げ、そのお涙頂戴の茶番を粉々に打ち砕いてやるつもりだった。

 私は歯を食いしばった。一度蹴り出し、さらに引き寄せる。胸の中で荒れ狂う鼓動は、恐怖からくるものではない――それは純粋で、盲目的な怒りだ。水面下でギザギザの鉄くずが肌を切り裂いたが、そんなことは知ったこっちゃなかった。

 頭上のどこかで、エンジンの轟音が響き、そして止んだ。クラブの連中が到着したのだ。さっきまで水の中で...

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