第6章

 クロエが東地区へ追放されたことで、クラブハウスにはようやく平穏が訪れた。

 だが、別の厄介な臭いを嗅ぎつけるのにそう時間はかからなかった。アイアン・ライダーズの帳簿が、弁解の余地もないほど完全な大惨事だったのだ。

 毎月のみかじめ料と、地下の改造バイク工房で盗品部品を捌いて得るわずかな利益だけで、彼らはかろうじて食いつないでいる状態だった。これほど巨大なギャングを、文字通りはした金で養おうなど、笑い話にもならない。

 このままでは、クルー全員が路地裏でのたれ死ぬことになる。

「まともな表稼業が必要よ」

 ある日の深夜、私はダリルのオフィスのドアを足で蹴って閉めると、油まみれで角の...

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