第105章 熊元友里絵こそが浮気相手

熊元爺さんは、ビジネスの世界で何十年も揉まれてきた人物だ。場面の挨拶ひとつ取っても、へりくだりすぎず、かといって尊大にもならない。どこを切っても落ち度が見当たらない――その手の「正しさ」を、骨の髄まで身につけている。

西川結人は顔色を曇らせた。

「あなたが何を言いに来たのか、だいたい察しはつきます。でも、この件の決定権は岩崎さんにあります。僕に話しても無駄です」

さらに、言葉を重ねる。

「今日は岩崎さんの誕生日です。仕事の話をする場じゃない。今後も協業を望むなら、岩崎さんの秘書に連絡してください。二度と、こんなふうに押しかける真似はしないでください」

言い方はきつい。熊元爺さんの面...

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