第11章 ちょっと手慣れていない

金曜の夕暮れ。

杏璃は西川結人に招かれ、デザイナーズサロンへ出席することになった。会場は、西川結人の別荘――そう聞いただけで、喉の奥がきゅっと締まる。

ドレスに着替え、門の前に立った瞬間、胸の奥がざわついた。

自分でも可笑しい。学生の頃は、彼女がいちばん活発だった。同じ学年の友人たちは、二、三か月に一度くらいのペースでこういう集まりを開いていたのに。

結婚してからというもの、もう二度と足を踏み入れていない。

「杏璃」

ぼうっとしていると、門の奥から西川結人が出てきて、こちらへ手を振った。

体に吸い付くように仕立てのいいブルーのスーツ。すっと背の伸びた佇まいに、やわらかな笑み。

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