第120章 勝ち抜いた者が共に踊るオープニングダンス

観客がいなくなった途端、熊元友里絵の興はすっと冷めた。

ふと顔を上げてアーチェリー場のほうを見ると、杏璃がまたしてもど真ん中――十点を射抜いたところだった。周囲から「おおっ!」と歓声が湧き、拍手がぱちぱちと広がっていく。

その瞬間、熊元友里絵は自分の注目が杏璃に奪われたようで、胸の奥がむず痒くなった。最後の駒を盤に置き、手首をくるりと回してほぐす。

「晴樹、私、あなたにはどう頑張っても勝てない。降参。ねえ、別のことして遊ぼ?」

大原晴樹は終始、薄い笑みを崩さない。

「いいよ。何がしたい?」

「前からずっと弓、やってみたかったの。でも機会なくて……晴樹、できる? 教えてくれる?」

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