第127章 小池おじさんが好きなおばさん

そう考えただけで、杏璃は――自分が何年もひたむきに捧げてきたことが、どうしようもなく報われない気がして、悔しかった。

小池慶人はその微かな揺れに気づいたのか、反対側を指さして言った。

「あっちのほうが桜、きれいに咲いてるみたいだ。そっち行ってみよう」

「うん」

杏璃は笑って頷き、胸の奥の悔しさをそっと押し込めた。すぐに気持ちを整える。

今日は遊びに来た日だ。

大原晴樹と熊元友里絵のせいで、せっかくの気分を台無しにするなんて、馬鹿らしい。

数歩も進まないうちに、可愛らしい小さな女の子が大きな薔薇の花束を抱えて、二人の前にちょこちょこと現れた。

頭のてっぺんで結んだふたつのお団子...

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