第133章 あなたたちは夫婦?

「晴樹は普段から忙しくて時間がないし、それに岩崎さんとは親しいわけでもないから、そんなお願いはしづらいでしょ」

熊元七海も、たしかにそれはそうだと思った。結局、サインのことは頭の隅へ追いやってしまう。

車の外で、大原晴樹が先に口を開いた。

「……どうして来た」

「会社の件が片づいたなら、文哉を連れて帰って」

杏璃は、彼が嘘をついたことを責めなかった。責める資格が自分にはないと分かっている。

けれど、ここまで言えば十分だ。大原晴樹に責任感があるなら、熊元友里絵の都合で文哉をこれ以上こちらに押しつけたりはしないはず――。

「誤解だ」

大原晴樹は自分から説明した。

「騙してない。...

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