第15章 乗り込んで挑発する

そんな気遣いの言葉を向けられた途端、杏璃は思わず鼻の奥がつんとした。

最近、どうしたんだろう。やけに感傷的で、ちょっと心配されただけで胸が熱くなって、目の縁までじんわりする。

……みっともない。

杏璃は軽く咳払いをして言った。

「私は大丈夫です。最近ちょっと忙しいだけで、この山さえ越えれば落ち着きます」

「どこが大丈夫なの。私が分からないとでも思ってるの?」

大原婆さんはため息を落とし、声を少しだけ低くする。

「熊元友里絵のことでしょ。晴樹がまた、あなたにつらい思いをさせたんじゃないの?」

杏璃は唇を開きかけて、言葉が出なかった。

ちょうどそのとき、玄関のほうでぱたぱたと気...

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