第165章 岩崎じいさんが交通事故に遭う

複雑な思考が渦巻くなか、ようやく動画の読み込みが終わった。杏璃はもう一度再生ボタンを押す。画面が動き出す。

高速道路を、黒い車が猛スピードで走っている。杏璃は一目で分かった。父の車だ。

あの車は、もともと杏璃が「カッコいい、パパに似合う」と言ったせいで、父が迷わず買ったものだった。

何年経っても、岩崎父は買い替えず、普段使いはずっとその一台のまま。

防犯カメラの映像は鮮明とは言えない。それでも杏璃は、ぼやけた画の中に父の姿を見つけた。

父は後部座席に座り、電話をしながらキーボードを叩いて仕事を片づけている。忙しさが画面越しにも伝わってくる。

フライトの時間が迫っているのだろう。助...

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