第168章 彼は票を熊元友里絵に投じた

声が落ちた瞬間、全員の視線が大原晴樹へ集まった。

杏璃もつられてそちらを見る。――不意に、大原晴樹の瞳とぶつかった。

けれど、それもほんの一秒。

大原晴樹はすぐに杏璃から目を逸らし、ためらいもなく投票札を掲げる。

彼の一票は――熊元友里絵に。

杏璃の胸が、どくんと沈んだ。投票札を握る指に力が入る。

「投票は以上です。では今回も、プロジェクトチームの責任者は熊元さんと岩崎さん。お二人とも問題がなければ、このあと記者会見を開き、正式にお二人の立場を発表します」

ルイスが言い終えると、先頭を切って拍手した。

チームメンバーもつられて手を叩こうとしたが、西川結人と杏璃が動かないのを見...

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