第20章 三千万の復讐

杏璃が振り返ると、ちょうど入ってきた大原晴樹と熊元友里絵と鉢合わせた。

杏璃を見た瞬間、二人とも一拍、動きを止める。

「杏璃さん?」

先に我に返ったのは熊元友里絵だった。にこっと笑って、甘い声を乗せる。

「あなたもここにいたんだ。偶然ね!」

そう言いながらも、彼女は大原晴樹の腕にしっかりと絡みついたまま。杏璃へ視線を走らせ、さらに店内に掛けられたドレスへ目をやる。笑みが、どこか含みを帯びたものに変わった。

「そのドレス、あなたも好き? すっごくきれいでしょ」

杏璃も微笑み返す。けれどその表情には、言葉にできない温度が混じっていた。

「好きよ。もちろん」

熊元友里絵がぱちりと...

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