第22章 彼女は浮気しないよね?

杏璃はぷっと吹き出した。

「先輩、そんなの……本当に私、ダメにされちゃいますよ」

西川結人はスマホをしまい、すっと立ち上がる。

「ダメになってもいいだろ。どうせ、甘やかしてくれる奴なんて他にいない」

そう言いながら腕時計をちらりと見て、眉をひそめた。

「ほら、いつまでうつむいて描いてるんだ。腰やるぞ」

「行くぞ。飯おごる。ちゃんと話そう。最近また、ひとつ構想が浮かんでさ」

杏璃は半ば強引に立たされ、ため息をついた。

「せめて片づけさせてよ」

「片づけ? いらないいらない。行くぞ!」

来る途中で西川結人はすでに店を押さえていた。中華料理店。杏璃も以前に二度ほど来たことがある...

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