第27章 お前は俺と奪い合ってはならない

杏璃はくすっと笑い、わざとらしく胸を張って言った。

「私、熊元友里絵さんよりいいの作れてると思うんだよね。こんなに人が寄ってこないの、逆に不自然じゃない? 要するに、私が無名ってだけでしょ。結人、もうちょいここで立っててよ。もしかしたら、そのうち私のとこにも人だかりできるかも」

西川結人が声を上げて笑う。

「いいよ。じゃあ俺、もっと大声で褒めとく? 褒め言葉、腹ん中に山ほど溜めてきたし」

言い終えるか終えないかのうちに、白いブラウスにタイトスカートの女が、展示スタンドの前までゆっくり歩いてきた。視線は一直線にそのドレスへ。足を止める。

長いこと見つめたあと、顔を上げ、杏璃を見た。

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