第28章 離婚のことについて話す

杏璃は人混みの中に立ちながら、妙な違和感を覚えていた。

気のせいだろうか。さっきから、誰かの視線がずっと自分に刺さっている気がする。

それはひどく熱を帯びた眼差しで、うっすらと探るような欲まで滲ませていて――皮膚の奥を抉り、骨の中身まで覗き込もうとしてくるみたいだった。

大原晴樹……?

杏璃は会話の切れ目にそっと視線を滑らせ、人の波の向こうを探る。

けれど目に入ったのは、文哉を抱き上げたまま去っていく大原晴樹の背中だけだった。

……自意識過剰だ。

彼が自分を、あんなふうに見るはずがない。

展示会が終わるまで、杏璃は終始、人に囲まれていた。

「岩崎さん、あなたのデザイン、本当...

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