第36章 彼らはとてもお似合いだ

贈り物を持って来させないために、「社員以外立ち入り禁止」という条項まで作った。

杏璃が五年間きっちり守り続けてきたそのルールも、熊元友里絵の前では、何の意味もなかった。

彼女はいつでも大原晴樹に会いに来られる。しかも大原晴樹専用のエレベーターにだって乗れる。

周囲の人間の態度は、とっくに答えを教えていたのに。

熊元友里絵こそが、大原晴樹の心の中の「妻」だと。

なのに、どうして自分は五年もかけて、ようやくそれを見抜いたのだろう。

杏璃は小さく息を吐き、大原晴樹へ視線を向けた。

「離婚の手続き、できるだけ早く進めて。残りは全部、高橋さんに任せるわ。何かあれば、直接あの人に連絡して」...

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