第38章 傷ついたら正当化されるのか

男と子どもに足を引っぱられていなければ、杏璃はいま頃、どれほど眩しい真珠になっていたのだろう。想像するのも怖い。

「もう、全部終わった。これから先、誰にも自分を失わせたりしない」

杏璃は小林志麻に微笑みかける。視線が重なった瞬間、そこにあったのは女が女に向ける、言葉のいらない共感だった。

夕食の時間が近づき、小林志麻は親しいデザイナーを数人、家に残して食事を振る舞うことにした。杏璃と西川結人も、その中にいる。

だが意外なことに、熊元友里絵が勝手に入り込んできた。さっきの一件があった直後だというのに、厚かましくも「私も一緒に」と席に居座ったのだ。

小林志麻は追い返そうとしたが、杏璃が...

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