第47章 彼女を熊元友里絵だと思った

山城市は鉱物資源の産地として知られ、デザイナーが素材を探すにはまさに天国みたいな場所だ。

とはいえ、ここは山間の採掘場が点在していて交通の便が悪い。杏璃は新幹線を降りてから何度も路線バスを乗り継ぎ、ようやく鉱山までたどり着いた。

今回の目的は、春の新作にふさわしい原材料を見つけること。

作業員に案内され、産出されたばかりの鉱石を見て回っていると――歩みを進めていた作業員が、ふいに足を止めた。

「おおっと、社長さんが来たぞ!」

指さされたほうを見ると、黒いマイバッハが数台、ずらりと乗り入れてくる。さっき顔を合わせた工場長が、その後ろを「へへっ」とでも言いそうな勢いでついて回り、露骨に...

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