第48章 大原泰介は彼女のために怪我をした

彼女は全身も顔も泥まみれで、ここへ辿り着くまでに相当な苦労をしたのが一目で分かった。

大原晴樹の姿を見た瞬間、熊元友里絵は堪えきれずに飛びつく。

「晴樹、怖かった……本当に、怖かった!」

「昨日の夜、ニュースでここが百年に一度の土石流に遭ったって知って……あなたに何かあったらって思ったら、じっとしていられなくて。ボディーガードに連れてきてもらったの!」

「無事でよかった……ほんとに、よかった……」

大原晴樹は、彼女の泥をまったく気にした様子もなく、穏やかに言った。

「大丈夫だ。何もない」

熊元友里絵は甘えるように、彼の胸をぽかぽかと叩く。

「次から、こんな危ないところに一人で...

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