第52章 もともとあなたのものだ

「結婚したとき、君に翡翠のブレスレットを渡しただろう。どうして着けていないんだ」

「別荘にも見当たらなかった。……なくしたのか?」

杏璃はうっすら覚えている。結婚式の翌日、大原婆さんに部屋へ呼ばれ、ジュエリーボックスから翡翠のブレスレットを取り出して手渡されたことを。

ブレスレットが持つ意味までは分からなかったが、ひと目で高価なものだと察していた。だから身に着けず、クローゼットルームにしまったままにしていたのだ。

「おばあちゃん、そんなに慌てないで。ブレスレットならクローゼットルームに置いてあるから、すぐ取ってくるね」

そう言って、杏璃はクローゼットルームへ向かった。

だが探して...

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