第54章 真っ先に彼女のキャリアを潰す

「おばあちゃん……ごめんなさい」

その声が落ちた瞬間、大原晴樹の姿は完全に消えた。

大原婆さんは腹を立てて、食事も喉を通らず、そのまま部屋へ戻ってしまう。

杏璃がどれだけ宥めても、婆さんはようやく粥を一杯、しぶしぶ口にしただけだった。

病院では、晴樹が駆けつけたちょうどそのとき、医師が診察室から出てきた。

「大原さん、心配しないでください。熊元さんはただ感情の起伏が激しい上に、今は生理中で体調が優れないだけですから」

「生理?」

晴樹は眉をひそめる。

「妊娠じゃなかったんですか」

「いえ」

医師は検査結果をもう一度確認し、きっぱり言った。

「熊元さんは妊娠していません」...

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