第60章 パパ、ママはあなたを要らないの?

福島孝介がさらに何か言いかけたところで、文哉が大原晴樹の腕をきゅっと引いた。

「パパ、ママも来てるの?」

そして、少し背伸びするみたいに目を輝かせる。

「パパと一緒に上に行って、ママにごはん持ってっていい?」

「いいぞ」

晴樹は熊元友里絵に視線を向け、淡々と言った。

「ちょっと上に行ってくる」

そう告げると、文哉の手を引いてその場を離れる。

二人が去ったあと、テーブルの空気はしんと沈んだまましばらく動かなかった。ようやく孝介が口を開く。

「友里絵、怒んないで。たぶんさっき、大原のおばあさんが晴樹兄に電話したんだろ。晴樹兄だって、おばあさんの言いつけは逆らえないしさ。変に考え...

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