第61章 彼女は怒らない

杏璃はそれ以上、考えるのが怖くなって、慌ててノートパソコンを閉じた。

「……まだ会議中なの」

大原晴樹がスマホを取り出す。そこで杏璃はようやく、大原婆さんからのビデオ通話がすでにかかってきていることに気づいた。

仕方ない。杏璃は西川結人に「続けてて」とメッセージを飛ばしてから、大原晴樹に通話をつなげるよう促した。

『杏璃や、今回のお出かけはどうだった? 楽しかったかい?』

『てっきり今週末も、みんなそれぞれ忙しくてバラバラかと思ってたのにさ。聞いてみたら、同じ場所に行ってたんだってねえ』

『それで、あのクソガキはちゃんと杏璃の面倒を見てた? 怒らせたりしてないかい?』

大原婆さ...

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