第69章 岩崎グループを引き継ぐ気はあるか

一時の岩崎家は、まるでかつての威光が蘇ったかのように、その絶対的な存在感を再び取り戻したかに見えた。

杏璃も輪に加わり、岩崎蘭子と並んで諸々の準備を手伝う。

いちばん近かったはずの母娘なのに、こうして腰を据えて話すのは、丸五年ぶりだった。

蘭子は使用人たちにひと通り指示を出すと、杏璃の手を取り、東屋へ連れていった。

「ここ、覚えてる? 最初の家族写真、この庭で撮ったのよね」

「覚えてる。あの日、私、ピンクのワンピースだった。ママはパパが海外でオーダーしたドレス着てた」

「パパったら、『うちには姫様が二人いる』って言ってね。一人目は杏璃、二人目が私だって」

過去をたどるうちに、杏...

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