第71章 岩崎家にあなたのような客は不要です

「これ以上みっともない思いをしたくないのでしたら、早めにお引き取りください」

支配人の貼りついたような作り笑いを見た瞬間、杏璃の胸の奥で、名もない怒りがざわざわと暴れ出した。

そのとき、待ちきれなくなった岩崎蘭子がこちらへ歩いてくる。

「杏璃、どうしたの?」

「……何でもないわ」

杏璃はそっと濁った息を吐き、どうにか気持ちを落ち着けようとした。冷静になって、策を探さなければならない。

真夏の日差しが容赦なく照りつけている。もともと白い額は赤く火照り、うっすら汗までにじんでいて、ひどく痛々しく見えた。

車で待っていた客たちも異変に気づいたらしい。ひとり、またひとりと外へ出てきて、...

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