第83章 愛さないなら、これ以上傷つけるな

「ひいおじいちゃん、飛行機お疲れさまでした。文哉が腿、トントンしてあげる!」

杏璃は腹の底から煮えくり返ったが、どうすることもできず、ただ目を閉じて――胸の奥の不快を押し込めた。

「急ぎで大原晴樹に用があるの。先に電話、代わってもらえませんか?」

秘書は少し迷った。どう返すべきか考える間もなく、文哉が小走りで駆け寄ってきて、乱暴にスマホを奪い取る。

「悪いママ! 保護者会に来てくれないなら、もう二度と口きかない! パパだって、もうママのこと相手にしないから!」

吐き捨てるように言い放ち、文哉はぷつりと通話を切った。

杏璃は、その言葉をはっきり聞いた。

ぞくり、と冷たいものが背骨...

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