第97章 杏璃は大原夫人である

その瞬間、文哉はふいに思った。

今の友里絵おばさんは、前のママにそっくりだ。――同じように、あの人と連絡を取るのを許してくれない。

文哉は何も言わず、自分の部屋へ戻ってひとりでむくれていた。

一方その頃、杏璃は手元の仕事を片づけたばかりのタイミングで、小池爺さんから電話を受けた。協業の件で、直接会って詳しく話したいという。

杏璃が断る理由はない。西川結人にひと言伝え、そのまま向かった。

小池爺さんが場所に選んだのはレストランで、話がしやすいようにわざわざ個室まで取ってあった。

杏璃が着いたときには、小池爺さんはすでに席にいる。二人で軽く口をつけたあと、すぐに本題へ入った。

年の...

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