第4章

愛莉視点

『十二月十五日はお前の誕生日だ。その後で荷物をまとめろ』透哉。

メッセージを十秒ほど見つめ、何度も何度も読み返した。彼……私の誕生日、まだ覚えててくれたんだ? あんなことがあって、私のことを人殺し呼ばわりして、もうどうでもいいって言ったのに?

「彼……私の誕生日、まだ覚えててくれたんだ……?」

誰もいない部屋に向かって、私はそう呟いた。

『もしかしたら、彼の心の中にはまだ私がいるのかも……ほんの少しだけでも』

震える指で返信を打った。『わかった。覚えててくれてありがとう』

返事はすぐに来た。『ああ』

その一言に希望を見出すべきじゃなかった。ただの「...

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