チャプター 12

ファミリーレストランの新装開店を告げる賑わいの前を通りかかったとき、エミリーの視線はガラスケースに飾られたイチゴのクマのぬいぐるみに吸い寄せられた。

まん丸な瞳でパトリシアを見上げると、ケースの中を指さして言った。

「ママ、あれ、ほしい」

パトリシアは上に貼られたゲーム告知へ目をやった。

内容はごく簡単な家族向けの遊び――大人二人と子ども一人で三人四脚をし、いちばん早くゴールした組が、展示の中から好きなおもちゃを一つ選べるというものだった。

「イチゴのクマが好き? お父さんとお母さんに参加してもらって、勝ったらクマをおうちに持って帰れるよ」

店員はそう言いながら、さりげなくパトリシア...

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