チャプター 26

パトリシアはトムの気持ちなど意に介さず、氷のように冷たい表情で睨み据えた。

「二度も言わせないで。謝りなさい」

断固とした声に、トムは呆然とした。そこへデイジーが素早くトムの前に割って入り、パトリシアを押しのける。

「うちの子に触らないで!勝手に命令しないでちょうだい!それにこの子の服は特注よ。傷でもつけたら、あなたに弁償できるの?」

パトリシアの視線がデイジーとトムの身なりをなぞり、デイジーの赤いドレスに止まった瞬間、細められた。

刺繍が加えられているとはいえ、パトリシアはそれが大学時代に自分が描き、ネットに投稿したデザインのひとつだと一目で見抜いた。

パトリシアは腕を組み、嘲る...

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