チャプター 28

チャールズが鞄の素朴な金具に指をかけた、その瞬間だった。スーツのポケットの中で携帯がぶるりと震える。

画面に「母」と出たのを見て、眉間がきゅっと寄った。通話ボタンを押す。拳はまだこわばったままだ。

「チャールズ……忙しい?」

ミッシーの声はどこか切迫していた。「ちょっと話したいことがあるの」

「何だよ」

「アルヴィン、もう二か月も反省部屋でしょ。そろそろ、許してあげるべきじゃない?」

そのことを、チャールズはほとんど忘れかけていた。腕時計に目を落とし、平板な声で言う。「ああ、いいんじゃないか」

「よかった……」ミッシーは安堵の息をついた。チャールズと話すと、なぜだかいつも神経が張...

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