第五十四章

スタジオの外、オフィスのほうから、こらえた笑い声がふいに響いた。

アカシアは首もとのネックレスを乱暴に引きちぎるように外し、テーブルの下で太ももを思いきりつねった。

パトリシアが自分を嘲っているのが、はっきりわかった。

怒りで顔色がさっと青ざめる。

パトリシアはくすりと笑い、挑発するような光が瞳にちらりと宿った。

アカシアは奥歯を噛みしめ、台本を手にしたまま問いを続けた。

「少し調べさせていただきました、アンダーソン夫人。大学時代はかなり大変だったそうですね。卒業してすぐ妊娠もされた。……この子どもを利用して、アンダーソン家に入り込もうとなさったのですか?」

ウィリアムの体調が悪...

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