第六十九章

マスターベッドルームで、パトリシアは手直しを終えたドレスをミッシーに差し出し、出来栄えを確認してもらった。

ミッシーは装飾の施されたドレスを愛おしそうに抱え、角度を変えながらうっとり眺める。「パトリシア、すごいわ!プロより上手じゃない!」思わず声を弾ませた。

パトリシアのまぶたがぴくりと動き、無理に笑みをつくる。

前の人生で、ミッシーが彼女にこんな温かい呼び方をしたことはない。いまさらそんな柔らかな言葉を向けられると、背筋に粟が立った。

ミッシーは襟元の手刺繍を指先でなぞり、心底満足したようにうなずく。声もいっそう甘くなる。「パトリシア、今度のチャリティー・ガラ、一緒に来ない?」

自...

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