チャプター 80

パトリシアはポールを玄関まで見送り、手短に言葉を交わすと、彼は去っていった。

ドアが閉まった途端、部屋はしんと静まり返った。

彼女は足音を忍ばせてベッド脇へ行き、しゃがみ込んでチャールズの顔をのぞき込む。頬は赤く火照り、眉間はきつく寄っていた。

そっと手を伸ばし、しかめ面をなだらかに撫でのばす。横たわる彼を見つめる目には、不安がくっきりと刻まれていた。

先ほどポールが口にしたことを、彼女は一言も漏らさず飲み込んでいる。こんなチャールズは見たことがない。現実味がなく、まるで嘘のようだった。

前の人生で、チャールズが彼女の前で弱さを見せたことなど一度もなかったのに。

「チャールズ……」...

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