72話

デイモン

ゴーストはニッキを慎重にバンへ乗せた。

「デイモン、俺はここに残る」

「問題ない、ゴースト。ただし、すぐに殺すなよ。長く、苦しいものにしてやれ」

「もちろんだ、クソほど痛めつけてやる」

ニッキはただ黙って俺たちを見ていた。俺はバンに乗り込み、マッシモの家へ向かった。

到着すると、フランチェスカが待っていた。ニッキを見るなり、今にも泣き出しそうな表情になる。

ブラッドが彼女を抱えていた。足は切り裂かれ、血が滲んでいる。

「ブラッド、ゲストルームへ連れて行きましょう。もう服は用意してあるわ」フランチェスカが言った。

ニッキが俺を見た。

「もう安全だ、ニッキ。フランチェスカが君をきれ...

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