第124章

佐藤桜は何度も振り返って物を探すふりをしたが、人混みの中に怪しい人物は見当たらなかった。

 まさか、気のせい?

 それとも……相手の隠れる能力が高すぎるのか?

 昨夜の生死を分ける出来事を経て、桜の警戒心は格段に高まっていた。

 万が一のために、用心するに越したことはない。

 彼女は意図的に冷凍庫の前に立ち、冷凍庫の鏡面反射を利用して背後に怪しい人物がいないか確認しようとした。

 しかし、何も見つからなかった。

 「気をつけて!荷物が来るよ、気をつけて!」

 スーパーの後方スタッフが従業員通路のバックドアから大量の荷物箱を引っ張り出してきた。荷物箱は積み上げられ、ほぼ2メート...

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