第193章

「……ああ、あるかもね」

 予想外でありながら、理にかなっている。

 藤原司が鈴木炎を気にかけて、彼女の仇を討ってくれるとは思わなかった。

 「あんた、旦那に告げ口したの?」伊藤香は最初、南条以勇が手を下したと思っていた。

 「してないけど……昨夜、鈴木炎が私に枕営業させようとしたとき、藤原司が私の部屋にいて、全部聞いてたの」

 「マジかよ!!彼が直接会いに来たのかよ!」

 「ちょっとちょっと、声小さくして!」桜は急いで伊藤香の口を押さえ、美しいアーモンド形の瞳で緊張気味に左右を見回した。

 「どうやって部屋に入ったの?」

 「……窓から」

 伊藤香は目を丸くして呆然とした...

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