第百三章

私は少し呆然とした。

白旗絵の口からそんな言葉が飛び出すとは、思いもよらなかったからだ。

彼女のあまりのストレートさに感心しつつも、少し気まずさを覚えてしまう。

「彼のことは、あまり言いたくないの」

肩をすくめてみせると、白旗絵はわかったとばかりに大きく手を振った。

「いいのいいの! 和也って顔は悪くないけど、私から見ればお姉さんには全然釣り合ってないから!」

「もし新しい相手を探してるなら、私の周りにはいい男がたくさんいるよ。たとえば、うちのお兄ちゃんとか!」

彼女は話すほどに目を輝かせていく。

「お兄ちゃんは白旗家の長男だし、大きなプロジェクトもいくつも任されてるの。それ...

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