第110章

「くそっ! どこのどいつだ、こんな卑劣な真似をしやがって」

悟は悪態をついた。

「廊下の防犯カメラを確認してきて。なるべく他の人には気づかれないようにね」

私は落ち着き払って言った。

悟も、今ここで腹を立てても何の解決にもならないと気づいたのだろう。

急いで部屋を飛び出していったが、すぐに険しい顔つきで戻ってきた。

「さっき執事に聞いたんだが、外で停電があったらしくて、カメラの映像も一時的に途切れてたみたいだ」

「とはいえ、ものの五分で復旧したらしいけどな」

私は拳をぎゅっと握りしめ、冷ややかな声で告げた。

「わかったわ。もう探さなくていい」

その様子を見て、悟が心配そう...

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