第39話

「葵、いい加減にしろ」

和也は顔を歪め、険しい表情を浮かべている。

ギリギリと歯ぎしりする彼を完全に無視し、私は背を向けて少し離れたところにいる梨乃へ手を振った。

立ち去る前、私は和也に念を押す。

「言っておくけど、誕生日を祝うのはこれが最後だから」

これからは赤の他人。お互いの人生に一切干渉しない。

梨乃と合流すると、彼女はあからさまに顔を曇らせた。

「なんであいつが来てるの?」

「一緒に実家へ帰れって」

シートベルトを締めながら、私は皮肉げに口角を上げた。

「都合のいいことばかり言って」

梨乃の視線が私に注がれる。何度か口を開きかけては、また閉じた。

窓枠に肘をつ...

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